前回は、テクニックに頼りすぎた人間関係は、自分に自信が持てなくなってしまって良くないですよ、というお話をしました。(人に好かれる褒め方-テクニックについて)
今回は「相手に自信を与えることが出来る褒め方」の具体例を書いていきたいと思います。
情報の受け取り方は人それぞれですが、大きく分けて三つのタイプに分けられるそうです。
視覚・聴覚・体感覚(五感)です。それぞれの特徴ですが、
聴覚—聴くことと読むこと
体感覚—感情
となるそうです。まずは相手がどのタイプの人なのかを探り、自分がそのタイプの人に合わせていきます。「それってテクニックでしょ」と言われるでしょう。その通りです。まずはテクニックから、相手に取っ掛かりを見つけていくのです。
相手に合わせることというのは、例えば聴覚。話す速さです。平坦な話し方をする人には、平坦な話し方で、明るく話す人とは明るい口調で話すのです。
以前わたしが音楽の話で書いた、心地の良い音程ですね。平坦な話し方をする人に明るく話すと、相手との振動が違いすぎて、お互いに気持ちが通じにくくなってしまいます。不協和音みたいな感じですね。
相手に合わせる視覚からの例としては、相手のしぐさを真似することです。これはミラーリングと言って、相手がペンを持ったら自分も持ってみたり、髪をかき上げたら自分もやってみたりするのです。ただ、ここで注意することは、相手に悟られないことです。気付かれると「何この人、さっきから私の真似していて、気持ち悪いんですけど?!」と思われて、仲良くなる道は遠くなってしまうかも知れませんので、ごく自然に真似出来るように、日ごろから少しずつ練習した方が良いでしょう。
三つ目の感覚についてですが、これは相手の雰囲気に合わせるのです。雰囲気に合わせるというのは、例えば相手が何かミスしたとします。自分はすぐにでも大声を出して怒りたいところですが、そこはぐっと我慢して、相手の気持ちに合わせます。相手が落ち込んでいたら、落ち込んでいる高さに合わせて注意します。分かりやすく気持ちを五段階に分けてみると、怒りが5、通常が3、悲しみが1だとして、相手がどこの段階なのかを見分ける、というか推理して合わせるということです。
褒めるときも、相手に気持ちを合わせて、声の高さを合わせて、相手との共鳴状態を作りつつ、自分の言葉で話すと真っ直ぐ伝わりやすいそうです。一番いけないのは、嘘を吐くことです。
「そのバッグ素敵ですね。」と言いながらも、本音ではバッグに興味が無い場合、間違いなく相手に気付かれます。
そういうことを防ぐために、まずは相手を観察しましょう。自分がバッグに興味が無いのなら、わざわざ題材にしなくていいのです。相手を観察して、スタイルが良い人だな、なぜかな、服が似合っているんだな、小物も服に合わせているんだな、この人はおしゃれなんだな、と思ったところで「おしゃれですね」と言うと、嘘偽りなく相手にまっすぐに届きます。そして相手の人は「この人は、分かってくれる!」と、目をキラキラさせるかもしれません。
このように、相手に自信を持たせる褒め方というのは、本当に自分が思う、相手の良いところに嘘を吐かずに褒めることです。
ちょっと意外なところでは、相手が下手な事や苦手なことを褒めるのも有りです。
どういうことかというと、人前で話すのが苦手な人が、何とか頑張って話をしているところを見たとき、「人前で話すの、上手かったね」と言ってみます。「自分なら緊張して声が出ないかも知れないよ」とか、「私なら早口になってしまって、何も伝わらないかも知れないよ」とか言うことにより、相手の存在と努力を褒めることにつながります。
もちろん、嘘を言ってはいけませんよ。本当に自分が思った、相手の良いところを褒めるのです。そのためにはまず、相手を観察して、波長を合わせて話すのです。
先ほども書きましたが、このテクニックを相手に気付かれないようにすることが、最大の注意点です。気付かれると「何この人、さっきから私の真似して、すっごい気持ち悪いんですけど?!」となってしまいますからね。日頃から、少しずつ練習しましょう。わたしも努力します。
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